“ゴールキーパー論”。 |
オーストラリアとの初戦、日本代表は負けてしまいました。
なんとなく歯車の合わない部分もあったけど、3点も入れられるなんて思わなかった。
おまけに今日になって、エジプト人の主審のジャッジミスがあったとか。
あの場面で相手が退場、そして日本のPKだったら…と思うと、今さらながらに腹が立ってきます。
でも済んでしまったことをあれこれ言っても始まりません。
クロアチア戦、がんばってほしいです。
それにしても、GK川口の鬼神のようなセーブには拍手喝采。
ほんとはGKがあんなに活躍してはまずいんだけど、それにしても見事なセーブぶりでした。
GKってすごい、といつも思います。
11人の選手の中で、ひとりだけ、ポジション、動作、そして心持ちが全く違います。
横っ飛びに飛んで、あるいは果敢に前に出て、そして一対一でもひるむことなくボールに向かっていく。
どうしてあんな風に恐れずにボールと対峙できるのだろう。
以前、GKについて、とても不思議で、とても興味を持ったことがありました。
その時読んだ本が『ゴールキーパー論』(増島みどり著 講談社現代新書)。
スポーツライターの著者が、「ドーハの悲劇」のGK松永成立とのやりとりから興味を抱いたゴールキーパーという存在。
この本では、グランパスやジュビロでGKを努めたディド・ハーフナーへの取材から始まり、サッカー以外のスポーツ(ハンドボール・アイスホッケー・ホッケー・水球)におけるGK達の「GK論」、異種GK対談、そして、もう一度松永へのインタビューで締めくくられています。
『飛んでくる困難にも決して背中を見せず、前を向く。守備でありながら心はどの位置よりも攻撃的にある。
今見ているスポーツの視点を、あと数メートル、後ろに下げるだけでいい。
そこでは、ある意味でまったく違ったスポーツと、概念が、ひとりの男によって表現されているはずだ。
「防御こそ、最大の攻撃なり」』(終章 松永成立「最後尾からの風景」より)
この時期、もう一度読み返してみようと思います。