『お母さんのきもち』 新川和江 (2010.10.31) |
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昼間はお休みです。
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ボイスキュー エフエムみしま かんなみ(77.7MHz)で昨年10月より、
毎週日曜日の11:30~、
週末にのんびり読みたい本とおすすめの1曲をご紹介している
「SUNDAY BOOK」のコーナー。
どんなお話をしたのか、「ラジオの時間」のカテゴリーにまとめてみます。
(放送では、パーソナリティー佐藤陽子さんとご一緒させていただいています。)
覚え書きその5。
『お母さんのきもち』 新川和江 作 小学館
今日ご紹介するのは詩の本です。
この本には「初めての子育てが楽しかったり切なかったりするときに開く本」
というサブタイトルが付けられています。
詩人の新川和江さんが、お子さんを育てていらっしゃった時に作った詩の中から、
やはり若いお母さん編集者の方がいくつか選び、
それに、眠ったり笑ったり遊んだりしている赤ちゃんや幼い子どもたちの写真、
自然のいろんな表情を写し取った、はっとするような美しい写真を合わせて、
1冊の詩集に編んだのがこの本です。
新川和江さんの作品には、「私を束ねないで」という、
繊細だけれども力強い、すばらしい詩があります。
私は、見渡す限りの稲穂であり、海であり、風であり、
川のように果てしなく流れ広がっていく一行の詩なのだから、
束ねたり名づけたり区切ったり、そんな風にありきたりのものに
収めないでほしい、という詩です。
「お母さんのきもち」にも、子供を通して、またお母さんという立場を通して、
生きていくことの喜びや切なさ、命のきらめき、
心の底からわきあがってくる母親として気持ちが、
伸びやかに力強く描かれています。
子供って、突然泣き出したり、熱を出したり、言うことを聞かなかったり、
思いがけないヘンなことを言い出したり、
とにかくお母さんは毎日毎日目が回るくらい忙しいものですね。
かわいいばかりではないので、時には本気で頭にきて、
「お母さんなんてもういやだ!」と思うことも、実はたびたびあるのではないでしょうか。
でも1日が終わって、子供の寝顔を見ていると、
やっぱりかわいいなぁとしみじみ思う。
今日はいっぱい叱っちゃってごめんね、なんて反省したりする時間が、
きっとありますよね。
そんな時に開いて読んでいただきたい詩集です。
初めて子供を育てるというのは、お母さんも1年生ということ。
不安になったり、神経質になったり、悩んでしまう時、
そっと寄り添ってくれる1冊です。
おすすめの曲
The Innocence Mission / Edelweiss