makani cafeの 小さな古道具市 その5。 |
makani cafeの 小さな古道具市
weekend booksにて
~ お願い ~
*駐車場が限られているため、できるだけ乗り合わせてお越しください。
*マイバッグ・小銭をご用意いただけると助かります。
どうぞよろしくお願いいたします。
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さて、weekend booksからの出品は・・・

スタイル 臨時増刊 きもの読本(昭和26年3月発行)
同 きもの読本 第2号(同年12月発行)




作家宇野千代が創刊したファッション誌「スタイル」の
増刊号として出版された「きもの読本」。
原節子、音羽信子、月丘夢路、小暮実千代など、
当時の美しい女優さんたちの着物姿のグラビアと、
着付けのこつや、生地の名前と種類
髪型・お化粧指南、
そして、森田たま・吉屋信子・東郷青児・宇野千代のエッセイと、
今読んでも(今だからこそ!)楽しい、着物愛にあふれた雑誌です。

手藝の本 私の部屋のために 少女の友三月附録(昭和12年発行)
「貴女(あなた)のお部屋の為にふさはしい可愛い作品を十種類、
淳一先生が長い間一生懸命に考へてこしらへて下さいました。
たゞのよせ集めの手藝と違ふことはすぐお分かりでせう?
少女の身のまはりに必要ないろんなものがみんな綺麗に加工されて一つひとつ、
こんな可愛い氣のきいた手藝品になりました。
お閑な時をみて、どうぞお好きなものから順々に作つていらして下さいませ。
やがてあなたのお部屋全體が、
美しい童話のお部屋の様な住み心地になります様に。」
(「はしがき」南 由紀子)


「アップリケ・テーブルクロース」や「お人形ブラシ」、
「花飾りのスリツパ」「わすれな草のエプロン」「針箱人形」などなど、
当時の女の子が、一生懸命身の回りを美しいもので飾ろうとする気持ちが、
切なくなるほど伝わる1冊です。

婦人手紙文全集 婦人俱樂部八月號附録(昭和8年発行)
「暑中見舞 ー 女學校で世話になつた先生へ ー」龍膽寺 雄
先日は妹とわたくしとにあてて下すつた輕井澤からのおなつかしいおたより、
有難う存じました。
輕井澤高原の、月見草のいつぱいに咲いた美しい繪端書、
あの中で先生がこの夏をおすごしになつていらつしやるのかと思ふと、
わたくしこの海岸をとびだして、ひとりででも、
高原地行きの汽車にのつて、
あの美しい花の中へとびこんで行きたくなるやうな氣がいたしますの。
「兎角(とかく)噂のある妹を戒める ー 都の姉より ー」 村岡花子
あなたの無邪氣なやんちやには口先まで出かかつた小言でも、
引込んでしまつて、つい、釣込まれて笑つてしまつたわね。
あなたのほがらかさを思ふと、生生としたあの表情を思ひ浮べると、
笑ひが口元までこみ上げて來ますよ。
だけどね、珠江さん、けふは姉さまは眞劒(しんけん)よ。
笑ふどころではないの。
ほんたうに心配して祈り心で、この手紙を書いてゐますのよ。
どうぞ今日はシンケンになつて、姉さまの言ふことを聞いて下さいね。
龍膽寺雄はモダニズムの作家、
村岡花子は「赤毛のアン」の訳者として有名です。
この他にも、長谷川時雨、佐佐木信綱、牧野信一、
林芙美子、室生犀星、菊池寛、野口雨情などが名を連ね、
さまざまなパターンの手紙文例を伝授してくれます。
それぞれの手紙ひとつひとつに物語が宿っていて、
本当に面白く、読み応えがあります。
(「ほんたうに」と書きそうになった 笑)
これが雑誌の附録だったなんて!

矢田津世子。坂口安吾の想い人。

文豪、若い!
なんてふつくらとして美しい日本語なのでせう。
ぜひお読みあそばして。
*いずれも経年によるやけ・しみ・汚れ・破れなどがあります。