おいしいものは人を幸せにする。 |
温かいスープがうれしいこの時期、
こんな絵本で心も暖めてください。

お腹を空かせてある村にやってきた3人の兵隊たち。
何か食べ物を、と訪ねて歩きますが、
村人たちはそしらぬ顔。
それならば、と考えついた方法は・・・?
「そう来るか!」と思わず拍手喝采の、
頓知の利いたお話です。
「せかい1 おいしいスープ」 マーシャ・ブラウン 渡辺茂男訳

年取った雌猫とおじいさんとの暮らしは、
つかず離れず、いい塩梅。
おじいさんの作るポテト・スープが彼女のお気に入りです。
ある日、いつものように魚釣りに出かけようとしたおじいさんですが、
どうしたことか、猫はついてきません。
仕方なくそのままにして、1人出かけていきましたが・・・。
猫好き(特に年取った雌猫好き)の村上春樹さんが訳した、
ほのぼのとした気持ちになる絵本です。
「ポテト・スープが大好きな猫」
テリー・ファリッシュ 作 バリー・ルート 絵 村上春樹訳

森の中で、しっぽを挟まれ困っている小鬼を助けた夫婦は、
お礼に3つだけ願いを叶えてやろうと言われました。
さてどうしよう、あれにしようか、これにしようかと、
さんざん考えた夫婦の願いは・・・?
大きな家、上等な服、たくさんのお金、それからそれから・・・、
人間の欲望は限りなくあれど、
でもやっぱり、分相応が一番。
おいしそうな最後のページで、なんだかほっと嬉しくなります。
「みっつの ねがいごと」マーゴット・ツェマック 小風さち訳

「ただ、私の経験からいうと、料理を作るために、
三つのことだけは心がけていたいものである。
ひとつはごく当り前のことだけれど、
キュウリ一本、トマト一個といえども材料だけは吟味すること。
醤油その他の調味料や香辛料は少なめに買うようにして、
こまめに新陳代謝させること。
もうひとつは、化学調味料の力は偉大だからこそ、
効果的に使いこなすこと。
以上のことは、常時、台所の若さを保つコツだと思っているし、
大根おろしひとつでも美味しく食べられることだと、私は信じている。
てな案配でゴタクを並べてみたものの、
この中の料理が果たして本当に美味しいのかどうかも、
無責任なようだけれど、実は私にも全然、分かっちゃいないのです。」
(「台所のオーケストラ」 まえがき)
好き嫌いの多い愛する夫・ドッコイ氏(映画監督 松山善三)に
おいしいものを食べさせようと考えた、「三分から小一時間ほど」でできる、
「私流の即席インチキ料理」?
いえいえ、吟味した素材で作る、シンプルで滋味あふれるメニュウは、
日ごろから台所に立っていてこそ。
べらんめえでおきゃんな口調もチャーミングな1冊です。
「高峰秀子のレシピ 『台所のオーケストラ』より」
「台所のオーケストラ」高峰秀子
「おいしいおはなし」高峰秀子 編

そして最後に、
おいしいものと同じくらい人を幸せにしてくれる、美しい音楽を。
以前の日記でもご紹介したこちらの2枚は、the innocence missionのアルバム。
はっと心を動かされるジャケット、
ふんわりと、けれどもしっかりと気持ちを揺さぶる歌声。
大好きな2枚、再入荷です。