最近入荷の本たち。 |



『世界の活版印刷 グラフィック・コレクション』
印刷物の中でもとりわけ心ときめく活版印刷。
この本では、アメリカを中心に、
イギリス、スイス、カナダ、オーストラリアなど、
各国の活版印刷作品が掲載されています。
ページをめくる度に,その美しさに思わずため息がこぼれます。

『Chiyogami 江戸千代紙』
元治元年(1864年)開店という由緒ある「いせ辰」の
美しい千代紙を左に配し、
右にはちょっと色っぽい都々逸や小唄など。
「主を寝かして嬉しく解けば 帯も察して鼠なき」
「包む人目の手ぬぐい取って 月に着せたい頬かむり」
なんてね。

『at Home』
写真家上田義彦さんが、
妻桐島かれんさんと4人の子どもたち、
そして愛犬たちとの日常をそっとすくい取ったモノクロ(時々カラー)の写真集。
ところどころに綴られたかれんさんの日記が少し切ない。
「2月16日
ピアノ・レッスンのお迎え。はんなのがんこさとプライドの高さと意地っ張りは、私ゆずりか。
はんなを叱った後、『......ね、わかった?』と聞いても、『はい』と言わない。
私も意地で『はい』と言わせようと、またまたしつこくて、良くないんだけど......。
『はい』を言おうとすると、吐きそうな感じで声を詰まらせる。
吐き気がするほど、イヤなのだ。」
「悲しみは忘却のかなたへ、ほほ笑みは写真の中へ。」
(あとがきより)

『東京は、秋』
荒木さんと陽子さんの会話に、ぴりぴりとしびれます。
「こんなふーに写真を話す相手がいなくなってしまった。
実は、写真てーのは写すことより写したものを見せて話すほーが楽しいのだ。
もー妻はいない。
でも、妻はチロを残してくれた。
最近チロは写真を見せると、イイにゃあと言うようになった。
1992年 東京は、初秋」
(あとがきより)

村上春樹さんの、あえて小説を外して、
翻訳とエッセイを集めました。

『巴里の空の下 オムレツのにおいは流れる』
「暮しの手帖」連載を経て、
昭和38年に出版されてから長く読み継がれている石井好子さんのこの本には、
シャンソン歌手として過ごしたパリで出会ったおいしいもののお話を中心に
綴られています。
「おいしいものというのは、なにもお金のかかったものではなく、
心のこもったものだと私は信じている。
この本には、いろいろなお料理のことを書いたけれど、
私のおいしいと思うものは、
銀のお盆にのったしゃれた高価な料理ではなく、
家庭的な温かい湯気のたつ料理だ。
台所から流れるフライパンにバタがとけ卵がこげてゆく匂い、
それは台所で歌われている甘くやさしいシャンソンではないだろうか。」
(あとがきより)
レシピ版と併せてどうぞ。

『それでもあなたの道を行け インディアンが語るナチュラル・ウィズダム』
『インディアンの言葉』
「あなたの歌をうたえ 空を 見上げながら」
(年老いた盲目の女性がうたった歌 《ヌートカ族》1939年に英訳)

中学生の頃、恋をするように読んだ新書館のフォアレディースシリーズ。
こちらは函入り復刻版、3冊セットです。
寺山修司と宇野亜喜良の最強タッグ、
今見てもやっぱりいい。

『クートラスの思い出』
売るための絵を描くことに嫌気が差し、
それゆえ画布を買うお金さえ無くなり、
仕方なしに選んだカード大の厚紙に、
6000枚とも言われる絵を遺したロベール・クートラス。
没後四半世紀、生まれ故郷のパリから遠く離れた日本で、
静かに熱く話題になっているこの画家の横顔を、
最後に寄り添った女性が語った本。
お店で手にとってご覧ください。
(一部売り切れのものもあります。ご了承ください。)