2016年 04月 24日
音楽の日記帳。 |
小鳥のさえずり。
小川のせせらぎ。
下草が眠る木の根元で、私も密やかに息をする。
もう森へなんか行かないと思っていたのに。
18 juli
自転車に乗って、川沿いの並木道を走る。
くすぐったい風を受けて、木漏れ日がひかる。
夏が来たんだ。
今日はさざめく葉音に耳を傾けて走ろう。
17 oktober
ブランコがゆれる。
澄んだ青い空が近づき、離れる。
繰り返し、繰り返し。
遠くにいる人を思いながらゆれる。
どこかで金木犀が咲いている。
9 november
あっ、と小さな女の子の声がして、
それから泣き声に変わった。
見上げると赤い風船が、雲と一緒にふわりふわりと浮かんでいる。
困った顔の若いお父さん。
女の子はもっともっと大きな声で泣く。
そ知らぬ顔で、風船はふわりふわり。
『datum』 musette
大切な日々の思い出を綴るようなアルバム、『datum』。
「ダートゥム」は、「日付」という意味のスウェーデン語。
曲のタイトルはすべて、月と日になっています。
ピアノの中に毛布を入れて(!)作り出した、
ちょっとくぐもったあたたかい音色のピアノを中心に、
口笛やアコーディオン、ギター、
ヴァイオリンといったアコースティックな楽器で奏でる、
懐かしいような、人なつこいような、インストゥルメンタルです。
懐かしいような、人なつこいような、インストゥルメンタルです。
『Just Another Diamond Day』Vashti Bunyan
ローリング・ストーンズのマネージャーに見いだされ、
ジャガー/リチャーズによるシングルで1965年にデビューし、
「第2のマリアンヌ・フェイスフル」と称されながらも
表舞台に出るチャンスがなかったヴァシュティ・バニアン。
1968年、ボーイフレンドと一緒に馬車で(!)
スコットランドのスカイ島をめぐる旅に出た際に作られた楽曲を元に
誕生したのがこの作品『Just Another Diamond Day』です。
1970年にこのアルバムを発表後、長く名前を聞くことがなかった彼女ですが、
2005年、実に35年ぶりに2ndアルバムを発表することになります。
(そちらのアルバム『Lookaftering』も入荷予定です)
震えるように繊細な、でもしっかりとした意志を持つヴァシュティの歌声は、
子守唄のように暖かく心を包み込みます。
シンプルなゆえに古さを感じさせない、いつまでも大切にしたいアルバムです。
・・・ちなみに、3月の企画展「Welcome Wagon」の
春の丘を越えて あのひとが会いにくる
ヤギもロバもネコもおいで
ワゴンにいっぱい花をつめて
welcome welcome
とっておきの服で迎えよう
は、このアルバムジャケットをイメージしました。
by weekendbooks
| 2016-04-24 12:49
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