2006年 02月 24日
声に出して読むこと。 |
本を読む、というと、普通は黙読です。
声を出して読むことはほとんどありません(大人になってからは、特に)。
先日、娘の宿題の音読につきあっているうちに、自分でも声を出して読みたくなったので、
教科書を音読させてもらいました。
「百羽のつる」(花岡大学)という、情景描写の美しいお話です。
歌でもおしゃべりでも音読でも、声を出すという行為には、何か気持ちが明るくなる作用があるように思えます。
自分の中の感情が、素直に外に流れ出すからでしょうか。

新着本でご紹介している『朗読を楽しもう』(松丸春生 著 永井泰子 絵 さ・え・ら書房)では、詩や童話、俳句や短歌、古典、小説、それにドラマの脚本(『北の国から』)やマンガ(大島弓子『水の中のティッシュペーパー』)まで、さまざまな種類の作品が登場します。
「朗読のもつ深いちから。限りない豊かさ。
声ゆえの強さ、たしかさ。底知れぬもの。」(あとがきより)
声を出して表現することで、新しい世界が広がるかもしれません。
この本の最初にも紹介されている金子みすゞは、大正時代に活躍した童謡詩人です。
西條八十に才能を認められ、短い間に数々の作品を残しましたが、理解のない夫のために無理を重ね、若くして命を絶ちました。
『金子みすゞ童謡集』(矢崎節夫 編解説 ハルキ文庫)に収められている詩は、美しく優しいことばの端々に、いい知れぬ哀しみのようなものが感じられます。
自分の力だけではどうにもならない、何か絶対的なものへの思い。
けれども、それに打ちのめされたりあきらめたりすることなく、
向こう側を見ようとするしなやかな強さ。
小さなものたちに寄せるまなざし。
「どこかふっくりとした温かい情味が謡全体を包んでいる。この感じは英国のクリスティナ・ロゼッティのそれと同じだ。」(西條八十の評)
こちらもぜひ声に出して読んでみたい、愛らしい作品です。
声を出して読むことはほとんどありません(大人になってからは、特に)。
先日、娘の宿題の音読につきあっているうちに、自分でも声を出して読みたくなったので、
教科書を音読させてもらいました。
「百羽のつる」(花岡大学)という、情景描写の美しいお話です。
歌でもおしゃべりでも音読でも、声を出すという行為には、何か気持ちが明るくなる作用があるように思えます。
自分の中の感情が、素直に外に流れ出すからでしょうか。

新着本でご紹介している『朗読を楽しもう』(松丸春生 著 永井泰子 絵 さ・え・ら書房)では、詩や童話、俳句や短歌、古典、小説、それにドラマの脚本(『北の国から』)やマンガ(大島弓子『水の中のティッシュペーパー』)まで、さまざまな種類の作品が登場します。
「朗読のもつ深いちから。限りない豊かさ。
声ゆえの強さ、たしかさ。底知れぬもの。」(あとがきより)
声を出して表現することで、新しい世界が広がるかもしれません。
この本の最初にも紹介されている金子みすゞは、大正時代に活躍した童謡詩人です。
西條八十に才能を認められ、短い間に数々の作品を残しましたが、理解のない夫のために無理を重ね、若くして命を絶ちました。
『金子みすゞ童謡集』(矢崎節夫 編解説 ハルキ文庫)に収められている詩は、美しく優しいことばの端々に、いい知れぬ哀しみのようなものが感じられます。
自分の力だけではどうにもならない、何か絶対的なものへの思い。
けれども、それに打ちのめされたりあきらめたりすることなく、
向こう側を見ようとするしなやかな強さ。
小さなものたちに寄せるまなざし。
「どこかふっくりとした温かい情味が謡全体を包んでいる。この感じは英国のクリスティナ・ロゼッティのそれと同じだ。」(西條八十の評)
こちらもぜひ声に出して読んでみたい、愛らしい作品です。
by weekendbooks
| 2006-02-24 22:45
| こころに残るもの(本)