さよなら、ステラポラリス号。 |
沼津市西浦、木負(きしょう)の海に浮かぶスカンジナビア号。
1970年にホテル・レストランとして開業し、長く親しまれていましたが、
持ち主である西武グループの経営悪化と共に、昨年3月をもって営業を終了しました。
いったん、イギリス領バージン諸島の会社に売却されることになったと聞いていましたが、
その後何の動きもなく、結局この話はなかったことに。
けれど今回、この船を建造した国、スウェーデンの企業との交渉が成立し、
今日、母国へと旅立っていきました。
この船の上で結婚式を挙げたのは、14年前の秋。
その何年か前に、親友がこの場所で式を挙げ、
とてもすてきだなと思ったのがきっかけです。
私たちの後、やはり仲の良い友人同士もここを式場に選び、
本当に思い出深い場所となりました。
音楽や料理にうるさい注文をつけた私たちに、笑顔で接してくれた担当の方。
にこやかに、きびきびと動くスタッフのみなさん。
そして、東京や四国、九州から来てくれたり、司会や写真を担当してくれた友人たち。
一日一組だけの結婚式。
当日、船を見学に来ていた、見ず知らずの方たちに「おめでとう!」と言われて、
照れくさくも嬉しい気持ちになりました。
仲人さんもたてず、神前でも、仏前でもない、「人前結婚」。
来てくださった方皆さんの前で誓いの言葉を述べ、指輪を取り交わしました。
私たちの結婚の証人となってくださったのが、
当時支配人(スタッフは「船長」と呼んでいました)だった安楽さん。
今日、ニュースを見ていたら、インタビューに登場していらっしゃいました。
結婚を船出にたとえ、祝福の言葉をくださった当時のことが、懐かしく思い出されました。
営業が終了すると聞いた昨年3月、最後の機会にと、
weekend booksの本を何冊か持って乗船しました。
室内に入ることはできませんでしたが、
デッキや操舵室のあちらこちらに本を置いて撮影してみました。
造船された当時の名前は「ステラポラリス(北極星)号」。
私たちにとって、この星のようにいつまでも輝く思い出になることと思います。
今後はストックホルムでホテル・レストランとして第3の人生を送るとのこと。
故郷でも愛されることを祈っています。
アルバムはこちらから。
写真はこちらから、よろしければご覧ください。