2007年 01月 18日
今日の読み聞かせ。 |
今朝は5年生の教室へ。
高学年は、ちょっと緊張します。
最初の本は『ぼくを探しに』。
(シェル・シルヴァスタイン 作 倉橋由美子 訳 講談社)です。
「何かが足りない それでぼくは楽しくない
足りないかけらを 探しにいく」
かけら探しに出かけた「ぼく」の旅は、雨が降ったり雪が降ったり。
海を渡り、藪を抜け、のんびり転がりながら続きます。
やっと見つけた「かけら」には、
「きみのかけらじゃないからね」と断わられ、
次に見つけたかけらたちは、小さすぎたり大きすぎたり、
ちっともうまくいきません。
そしてある日のこと、とうとうぴったり合いそうな「かけら」と出会いましたが…。
初版は今からちょうど30年前に出版され、
ずいぶんブームになりました。
そのころは、「自分探しの旅」なんてなんだか胡散臭くて(子どもだったので)、
どちらかというと敬遠していた本でした。
ところが昨年の誕生日に友人から贈られ、改めて読んでみたところ、
思春期の入り口に立つ人たちにぴったりだなぁと思いました。
シンプルな絵とお話が、かえって気持ちを引き付けるのではないかと。
いわゆる絵本のジャンルからは、少し外れるかもしれないけれど、
だからこそ、大人にも子どもにも、それぞれの解釈で読める本です。
もう1冊は『フェリックス・クルーソーのふしぎなえ』。
(ジョン・エイジー 作 渡辺茂男 訳 福武書店)
パリにある王様の宮殿で、絵の展覧会が開かれることになりました。
有名な絵描きさんたちが、王様の立派な肖像画を出品する中、
誰も知らないフェリックス・クルーソーも、自分の描いた絵を見せました。
なんとそれは、一羽のアヒルの絵。
審査員の先生方はあきれて叫びました。「あほらしい!」
ところがその絵から突然鳴き声が聞えて…。
謎の画家の描く、不思議な絵のお話ですが、
最後のオチもあり、ちょっと星新一のショートショートのような味わいです。
読み終わってから、担任の先生が「おもしろいお話でしたね」と言ってくださいましたが、
静か~に聞いてくれていた子どもたちはどうだったんだろう…?
あまりお説教くさくなく、朝のちょっとした時間を楽しく過ごせるような本。
特に高学年の選書は、本当に難しいなぁと思います。
by weekendbooks
| 2007-01-18 22:58
| 絵本いろいろ