『エンジェルズ・ティアーズ』 |

これは、ずっと以前、知人にもらったリトグラフ。
リュート職人の青年でしょうか。
このところよく聴いているのが、佐野健二さんのリュートアルバム『エリザベス朝のリュート・バラード』。
リュートは、「洋梨を半分に切ったような形」と表現される、日本の琵琶にも似た楽器です。
このアルバムは図書館で借りたのですが、最初に聴いた時から、すぅっと体に沁み込むような、なんともいえない心地よさを感じました。
シンプルで、親密で、典雅な響き。
シェイクスピアと同時代の17世紀に活躍した、ジョン・ダウランドの曲を中心に演奏されています。

ジョン・ダウランドの名前を知ったのは、銅版画家、山本容子さんの『エンジェルズ・ティアーズ』(講談社/東芝EMI)を読んだ~聴いた時です。
「読んだ~聴いた」というのは、この本、画文集とCDがセットになっているから。
山本容子さん自らが選曲した、魂を鎮める曲、「レクイエム」集のこのCD、先ほどのジョン・ダウランドをはじめ、プーランクやフォーレ、ピアソラから武満徹、團伊玖磨、イタリア・フランス・アメリカ民謡まで、様々なジャンルの曲を、さかいれいしう・加藤登紀子・石川セリといった達者な人たちが歌っています。
どちらのアルバムも、静かに過ごす夜にぴったりです。