100歳。 |
それは、ピーターラビットやクマのプーさんシリーズ、『ちいさいおうち』や『うさこちゃん』の翻訳で知られ、またたくさんの著書もある石井桃子さんが、10日で100歳になられるということです。(2月27日付 「石井桃子さん 現役で100歳! 読み継がれ、手がけた子どもの本200冊」)
幼いころに読んだり、子どもに読んであげたりした絵本の表紙に、「いしいももこ」という名前をいくつも見かけた覚えがあるかと思います。
今もご自宅で口述し、とてもお元気だとのこと。すごいなぁ。
紙面では、佐野洋子さんと阿川佐和子さんの対談も掲載されていました。
阿川さんは、「最近のベストセラーを読むと、ここまでとてつもない人生体験を書かないと読者の心をつかめないのか、と思う。でも石井さんはなんでもないことを、平易な言葉で魅力的に書き続けていた。悲しい、優しいといった言葉を使わずに、悲しさや優しさを伝えていらっしゃる。」とおっしゃっています。
同じ紙面で、やはり多くの絵本を翻訳なさっている、東京子ども図書館理事長の松岡享子さんは石井さんについて、「大げさなこと、仰々しいことが何よりおきらいで、静かなこと、小さいこと、日常に根をおろした実のあることを徹底して大事にしておられる」と書かれています。
ピーターもミッフィーもプーさんも、そういえば何気ない、けれどかけがえのない日常生活の中で、家族や仲間たちと暮らす物語でした。
世界の中心で何かを叫んだり、誰かが自殺をしたり、力ずくで奪い取ったり、特別な事件は何も起こらなくても物語は充分成立するのだということを、穏やかに伝え続けてくださる石井さん。
ますますお元気で、ご活躍なさることをお祈りしています。