もう一度、音楽と出逢う。

高校生から大学生にかけて、よくFMラジオを聴いていました。
おしゃべりやCMで中断されずに、１曲まるごと聴くことができたし、
音質も良かったからです。
いろんな音楽を聴きたいけれど、アルバムを買うにはお小遣いが足りない学生には、
ありがたい存在でした。
１曲１５０円で簡単にダウンロードできる時代が来ようとは、
夢にも思わなかったころの話です。

夜、一応勉強などしながら聴いていたのは『クロスオーバー・イレブン』という番組。
落ち着いたナレーションと、文字通り「クロスオーバー」な選曲が楽しみだった１１時。

高２だったか高３だったかのある日、
その番組から流れてきた１曲に心を奪われました。
当時興味を持ち始めていたフュージョンやジャズのニュアンスと、
ちょっと東洋的な雰囲気の不思議な感じ。
ノートの余白に、アーティストとタイトルをメモしたのを覚えています。
『スティーリー・ダン　エイジャ』。


先日亡くなった山口小夜子さんの、印象的なジャケット。
ipodに入れて、このところ何度も聴いています。
何度聴いても、あのイントロにどきどきしてしまう。
ステレオやパソコンよりも、ipodの方が音をもっと「親密」に感じるのは、
イヤホンのせいだけなのかな。
３０年近く経って、もう一度新たに出逢ったような気がします。