2008年 08月 18日
蓮。 |

…しかし極楽の蓮池の蓮は、少しもそんなことには頓着致しません。その玉のような白い花は、御釈迦様の御足のまわりを、ゆらゆら萼(うてな)を動かして、その真ん中にある金色の蕊(ずい)からは、何とも云えない好い匂が、絶間なくあたりへ溢れて居ります。極楽ももう午(ひる)に近くなったのでございましょう。
(『蜘蛛の糸』 芥川龍之介)
by weekendbooks
| 2008-08-18 19:45
| こころに残るもの(本)