今日の絵本。 |
高学年には何を読もうかと結構悩みます。
最初は『ゆらゆらばしのうえで』(きむらゆういち 作 はたこうしろう 絵 福音館書店)
雨の上がったある日、一本の丸太橋の上をウサギが走って逃げていきます。
キツネに追われているのです。
あと一歩、というところで、大雨で傷んだ橋がはずれ、ぐらぐらと揺れ始めました。
橋の上に残された2匹は、お互いの重さでつりあいを取らないと、
どちらかに傾いて下に落ちてしまいます。
夕べの雨で、下を流れる川は勢いを増し、万事休す!
やがて日が暮れて、動くことのできない2匹ができるのは、話すことだけ。
敵同士ということも忘れて語り合いますが…。
『あらしのよるに』の作者、きむらゆういちさんの、
こちらもちょっとへんてこでゆかいな友情物語。
ほろりとする結末です。
もう1冊は『光の旅 かげの旅』(アン・ジョナス 作・絵 内海まお 訳 評論社)
夜明け前に家を出発し、車であちこちの風景を見ながらやって来た街。
車を駐車場に入れ、映画を観たり、高いビルから下を見下ろしたり。
やがて日が暮れて…、というところでページが終わります。
「?」と思うと、「本をさかさまにしてごらん」と一言。
ひっくり返してみると、今まで描かれていた絵が、
全く新しい別の絵に見えてくるのです。びっくり!
ページを逆にたどっていくと、
さっき上った高いビルを、今度は下から見上げたり、
映画館だった所はレストランに見えたり。
白と黒だけで描かれた絵からは、限られた色数だからこそ、
無限の広がりが感じられます。
文章はとても少なく、だからこそじっくりと絵と雰囲気を味わいたい本。
一緒に旅をしたような、余韻の残る絵本です。
こちらは逆向きの表紙と裏表紙。ね、不思議でしょ。
さて来週は、私にとっては6年生への最後の読み聞かせ。
何を読もうかな、またまた悩む…。